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東京都庭園美術館『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』
2013年11月10日
只今改修工事にて休館中の東京都庭園美術館が行ったイベント「美術館の舞台裏をのぞいてみよう!キノ・イグルーと観る、映画『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』」に行ってきました。
移動映画館のキノ・イグルーさんセレクトの映画を観るこのイベント、会場には50名ほど集っていました。
映画のストーリーはアムステルダム国立美術館の改築工事の模様を、2005年から4年間密着取材を行ったドキュメンタリー。改築工事にまつわる舞台裏というと華やかな映像を想像していたのですが、そこに描かれていたのは美術館に携わる人々の人間模様。コンペで勝ち取ったはずの建築家の案は市民らによって猛反対を受け、新しい展示方法の対立によって学芸員が辞職したり、度重なるプランに変更によって工事は中断を余儀なくされ、最後には館長まで...それぞれの立場からの主張がぶつかりあって浮き彫りになる人間関係に圧倒されてしまいました。
もちろん美術館としての舞台裏も(少しだけ)納められていて、絵画の修復の様子だったり日本から金剛力士像を購入する過程であったりと、見どころは本当にたくさん。その中で、研究員の方が「ゴールが延びるほど、この美術館改築のはじめに持っていた情熱は失われていく」というようなことを話していたのが印象に残りました。
庭園美術館の方も「2010年公開時にも観たのだけど、自分がまさに当事者となっている今観ると、また特別な思いがある」と仰っていて、内情が分かるだけに私とはまた違った観点からみているのかもしれませんね。
これは2009年のオランダ旅行の際に撮った、閉鎖中の美術館。中に入れず残念だねぇ〜なんて言っていたまさにこの時、裏側でこんなことが繰り広げられていたなんて・・・。
休館中には美術品を世界に貸し出していました。日本にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」が来たのもこの期間。
庭園美術館は改修工事中のため、会場となったのは芝にあるSHIBAURA HOUSE。ワークショップやスペースレンタルを行っている、オフィス街にポツリと生まれたオシャレ空間でした。椅子を観てそうかな?と思ったら、設計はやはり妹島和世氏でした。上映を行った5Fは天井の高い全面ガラス張りの開放的な空間~黄昏時からスタートした上映が終わる頃には、都会の夜景が広がっていてびっくり。帰り道に東京タワーのごく近くを通り、何だか得した気分でした。
映画は改築工事の途中で終わってしまったのですが、美術館はおよそ10年の時を経て今年の春にやっとグランドオープンとなりました。早くこの目で見てみたいなぁ。
東京都庭園美術館の改修工事もあと1年、増築されたホワイトキューブの新館も含め、新しく生まれ変わった美術館の再オープンが楽しみです。
【東京都庭園美術館】 東京都港区白金台5-21-9
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