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【ART】サイ・トゥオンブリーの写真@川村記念美術館
2016年7月21日
楽しみにしていた「サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム」を見に、千葉県佐倉市の川村記念美術館へ行ってきました。
梅雨明けが延び延びな関東地方ですが、この日は薄曇りで30度を超える夏日。
生い茂る木々、蝉時雨が辺りにたちこめる中、庭の池には涼しげに泳ぐ白鳥たちの姿。広々とした庭は、いつ訪れても心をホッと和ませてくれます。
平日の午前中。いつもよりは少し来館者が多めでしたが、常設展ではお決まり”ロスコの部屋”にてじっくりと鑑賞。
【当展覧会のパンフレット表面】
アメリカに生まれたサイ・トゥオンブリーは、20世紀を代表する現代アーティスト。暗闇の中で彩度の低い色合いで描かれた作品が代表的で、まるで落書きのような作画を学生の頃に直島で見た時はただただ驚きました。昨年原美術館で見たのはドローイングや絵画など紙の作品を中心としたものでしたが、今回はあまり知られていない写真の作品にフォーカスした展覧会です。
【当展覧会のパンフレット中面】
ポラロイドで撮影した写真を複写機を利用して拡大してざらっとした厚紙にプリントするという、普通にプリントしたものとはまったく異なる仕上がり。カオスのような室内であったり、パンとコップなど日常のものを撮影した作品は、うすぼんやりとした点描の作品を見ているようで、現代のカリッとした解像度の写真と同じカテゴリに入るのが違和感を感じました。1990年代と写真の作品は晩年になって初めて発表されましたが、撮影自体は絵画と同時期から並行して行っていたといいます。彼の中では異なるメディアというよりは、ただ単に筆をポラロイドカメラに持ち替えただけで、同じ視線の同じ作品群だったのかもしれませんね。そして詩を紡いでいるように物語性のある作品を、リズミカルに展示したキュレーターさんの素晴らしさも感じる展覧会でした。
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