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【MOVIE】The Price of Everything アートのお値段

2019年9月 6日

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ランチの後は鎌倉から横浜に移動〜、今年4月に出来たばかりの映画館「kino cinema」へ。

 

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1Fのスターバックス併設のTUTAYAから階段を上がってすぐ、新しいのにどこか懐かしい単館映画館を思い出す風情ある空間にびっくり。今回の映画、初めはユーロスペースで見ようと思っていたのですが、2週間遅れでスタートするということだったので、気になっていた新しい映画館を試すことにしたのです。

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座席数は55席、111席、111席と、小ぶりの3スクリーンの館内。大きなシネコンが主流の昨今ですが、ミニシアターに親しんでいた私としては、この規模で新しい映画館とはとても嬉しく思いました。

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【今映画のチラシ・オモテ面】

そして今回観たのはアートをテーマとしたドキュメンタリー作品「アートのお値段」。世界最古の美術品オークションハウスである”サザビーズ”を舞台に、そこで働くオークショニア、アートを所有するコレクター、アーティストと密接なギャラリスト、無からアートを生み出すアーティストと、4者4様の意見がぶつかり合います。

img20190907_19155505-1.jpg【今映画のチラシ・オモテ面】

ストーリーの主軸となっているのは、ニューヨークでのサザビーオークション開催までの6週間。より高値で売りたいオークショニアが「現代アートはいくらでも供給できる」と話せば、アーティスト側は「アートと金に本質的な繋がりはない」と。確かにアートの価値は原価でも需要と供給で決まるものとは違うけれど、私の様な一般人が描く何か純粋な美を求めて鑑賞するのとも違う…投資の対象となっている”アート市場”という側面に気づかされたり。。ただ単に意見のぶつかり合いで終わるのではなく、様々な人に密着しながらテンポよく話が進んでいくので、あっという間に見終えました。

私も好きなゲルハルト・リヒターの放つ「金は汚い、美術館で飾られる方がいい」にはアーティストの純粋な部分を見ることができるけれど、それは現代美術の頂点にいるような方だからこその言葉でもあり。そしてオークショニアの話す「美術館は墓場よ」との言葉にも一理あって、一旦美術館に入ってしまうと流通することもなく、展示している時以外は倉庫で眠るだけというのにも寂しさを感じます。純粋なだけでも、欲望だけが渦巻く世界だけでもないから、答えはでないのでしょうね。。決してスッキリとはしないものの、新しい価値観や全く別の世界を垣間見ることができて、どこか不思議な心持ちで映画館を後にしました。

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映画館自体はというと、スクリーンは小ぶりサイズかもしれませんがちょうど良い具合で、何より席に座ると自動的にわずかにリクライニングする椅子に驚きました。調べるとあの”椅子はコトブキ”のコトブキ製背 ロッキング 特注品とのことで、長時間座っても疲れ知らず。そして背もたれが長いので前の方も気にならず、両脇との間隔も広いと抜群の環境なのです。

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横浜みなとみらいと立地も良いので、ここで上映する作品ならばここで観たいと思うほど、すっかりファンとなった2人なのでした。

そういえばこの映画の(上の予告編でも)最後に出てくるバスキアの絵画は、ZOZOの創業者前澤さんが落札したもので、この秋始まる「森アーツセンターギャラリー」の展覧会で見ることができますよ。

 

 

カテゴリー:ART&CULTURE

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