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【ART】ハマスホイとデンマーク絵画 @ 東京都美術館
2020年2月 8日
昨年から待ちに待っていた、東京都美術館で開催している「ハマスホイとデンマーク絵画」に行ってきました。
てっきり国立西洋美術館での開催だと思っていたので、同じ上野公園エリアの中でも大好きな前川建築のトビカンで行われるとは嬉しい。。
光を抑えた静かな空間…ですが、いつもよりも来館者がとても多いのです!
その理由は…本日、東京芸術大学・佐藤准教授の記念講演会があるからなのです。かくいう私も整理券配布に合わせて来館し、無事に聴講することができました。テーマは「不安な絵画ーハマスホイと北欧の画家たち」。ムンクとシャルフベックを引き合いに出しての講義をみっちり一時間半、彼の内情などを知ることができる良い機会でした。
そしていざ展覧会会場へ(会場内は撮影不可でした)。
【今展覧会チラシ・オモテ】
ヴィルヘルム・ハマスホイは19世紀末〜のデンマークを代表する画家。今回は1〜4章に分かれて、1章では19世紀のデンマーク黄金期、2章で19世紀末にデンマークの画家たちののコロニーとなっていた小さな漁村を中心とするスケーエン派について、3章でハマスホイと同時期に活躍した室内画と、ハマスホイだけではなくデンマーク近代絵画を多角的に紹介している、なんとも見ごたえたっぷりな内容となっています。
【今展覧会チラシ・見開き右】
デンマーク黄金期は以前行ったコペンハーゲン国立美術館にて、スケーエン派は西洋美術館での展覧会で深めていたのですが、こうして合わせてみることで躍動する時代の流れを感じることができるように思いました。また3章のハマスホイと ”同時期に同テーマの室内” を描いた画家の作品群は、子供や妻がくつろぐ温もりのある室内であるのに対し、4章のハマスホイは、象徴的な白い扉や窓、そこに少ない家具だけの静寂漂う生活感のない空間。そして登場人物はというと、背を向けた妻がひとり。たくさんの作品を一緒に見たからこそ、4章での彼の特異なさまが際立って感じました。
【今展覧会チラシ・見開き右】
そして4章で真打ハマスホイの登場。入り口には白く大きな扉を取り付け、空間は壁の色はペールグレー、壁の一部はガラス窓を模して光の演出まであったりと、まるで鑑賞者が絵の中に入っていくような心憎い演出がなされていました。壁に並ぶのは色味を極端に抑えたグレイッシュな作品ばかり、彼のパレットには3つの色調のグレーと白しかなかったと言います。デンマークのオードロップゴー美術館からの貸し出しも多かったのですが、まだ行ったことのない美術館からの貸し出しもあったので、いつか買い付けの空き時間にその美術館に寄ろう!と楽しみが増えました。
帰る頃には日が暮れていて、そんなに長い時間いたのかと自分でもビックリ。今日は講習会参加のために珍しく1人で鑑賞したので、より作品と対峙できたように感じました。
いつもは明るいうちに帰路につくので、この景色は久しぶり。建物を象徴する赤・緑・黄・(青)の4色が光によって浮かび上がってきます。あたたかく、モダンな建物だなぁ。。
いつかトビカン建築ツアーにも参加したいと思っているのですが、お店の営業があって実現はまだまだ先になりそうです。。
あと1ヶ月もすればこの公園内は、桜を観るたくさんの人で賑わうことでしょうね。
おまけ、今回のチラシ(左)と2008年に行われた展覧会のチラシ(右)です。ハマスホイを初めて知ったのはこの12年前の国立西洋美術館で行われた展覧会だったのですが、そのキュレーションが今回講演会を聞いた佐藤准教授だったと知って驚きました(当時は国立西洋美術館の学芸員だったそう)。まだお店もオープンしていなかった若かりし2人でしたが、当時からデンマークに夢中だったのでした。