カフェの後は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催中の「永遠のソール・ライター」展へ。

【今展覧会チラシ・オモテ面】

ニューヨークで活躍したフォトグラファー、ソール・ライターの回顧展。「ハーパス・バザー」誌、「ELLE」「VOGUE」誌など、名だたるファッション誌で活躍した彼は、スタジオではなく街中にて空気ごと切り取ったようなスナップ写真で独自の表現を発表していきました。

【今展覧会チラシ・ウラ面】

ただ彼の作品といって真っ先に思い浮かぶのは、それら商業写真ではなく自身の住んだニューヨークを舞台にして取り続けたストリートフォト。曇ったガラス窓越しに見た交差点や、家のベランダから見下ろした街を切り取ったものなどの大胆な構図は、印象派の絵画のような、はたまた多重刷りの浮世絵のような…写真という道具を用いてはいるものの、まったく異なる作品へと昇華しているのです。それはどこかひっそりとしていて、そこから新たなストーリーが始まるように。

【YouTube Bunkamurachannelより】

会場では現像した写真を飾るだけでなく、スライド・プロジェクションでの上映もしていました。1950年代当時はカラープリントが高価だったので、経済的な理由からプリントアウトすることなくプロジェクター上映で友人たちと楽しむこともあったのだそう。そんな小さな上映会に参加できたようで、じっくりと見入ってしまいました。。写真は会場最後に展示された彼のアトリエの品々を並べたコーナー（この壁のみ撮影可能でした）。

一貫した視線、他とは異なる彼独自の表現…また新しい作品と出会えて、心を豊かにしてくれる展覧会に感謝するのでした。

【Bunkamura ザ・ミュージアム】東京都渋谷区道玄坂2-24-1