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【ART】宮島達男 クロニクル 1995-2020@千葉市美術館
2020年10月30日
7月にリニューアルオープンした千葉市美術館へ行ってきました。
お目当ては宮島達男氏の企画展。先月訪れた森美術館の「STARS展」や、ギャラリーSCAI THE BATHHOUSEでの個展など定期的には見ておりますが、美術館での大規模な展覧会は久しぶり!タイトルのアルファベッド表記がデジタルカウンターになっていて、胸が高鳴ります。。
【今展覧会チラシ・オモテ面】
宮島さんといえばLEDのデジタルカウンターを使用した作品ですが、ひとつめの部屋では一味違った映像作品が並んでいます。人種の異なる3人の顔にペイントされた数字がカウントダウンされていったり、声によってカウントしたり、同じ数字を用いているのに意味合いまで違って感じます。デジタルカウンターでは時や永遠などを想起させるのに、こちらでは人種や宗教色を感じて、ここでは何を問われているのか…頭の中でグルグルと自分の答えを見つけようとしていました。
途中の小休憩の部屋(会場内はこの小部屋ともう一室のみ撮影可能でした)。そういえばこの次の部屋で展示されていた《Deathclock for participation》は、自らの死の日付を入力してカウントダウンが始まるもので、”死を考えることで生のかけがえのなさを気づく”という逆説的な体験。なんと無料で参加できるというので、早速私もパソコンに向かって入力してみました(豊島のボルタンスキーの作品《心臓音のアーカイブ》は有料登録なので…)。いつかどこかでの展覧会で使われるかしら。。
途中階段で一段下がり…
広々とした展示室へ。
《C.T.C.S. Flower Dance no.4》
9枚の鏡には、赤く光るLEDの数字が浮遊感たっぷりに動いています。同じデジタルカウンターを使っていても、自らが映り込む作品ではアートとの垣根が取っ払われたかのように。
《Life no.13》《Life no.18》
同じデジタルカウンターを用いた作品なのに、先ほどの鏡とはまるで印象が異なり…
脳というか、まるで単一の生命のようでゾワゾワします。
《Innumerable Life / Buddha MMD-03》
赤くペイントされた作品と思いきや…
2500個ものLED!
《C.F. Plateaux-no.7》
C.Fは「Counter Fragile(もろい)」という名前通り、極小のカウンターが極細のワイヤーでつながれたもの。LEDのカウンターを用いているという共通点はあるものの、ひとつの部屋の中でここまで様々な作品を見るとその差異が頭で考えるよりも先にぼんやりと心に響いてきます。LEDがもはやデジタルなものには見えず、命そのものであったり永遠に続く時であったり、これは図録を眺めるだけでは理解できなかったなぁとありがたく感じました。。
この千葉市美術館は1927年に建てられたネオ・ルネサンス様式の旧川崎銀行千葉支店を部分保存する形で、この1-2階部分を包み込むように新しい部分のビルが建てられています。その1階部分の「さや堂ホール」内でも宮島さんの作品が展示されているというので、帰りに覗いてみました。
これは面白い!光のない暗闇に浮かび上がった3色の床がそのまま作品になっています。
ホール全体はこんな感じ。
そしてここでは、作品の中に入ることもできるのです!
こんな感じで遊んでみたり。。
出入り自由の無料の部分なので、現代アートに馴染みのない方でも楽しく作品と一体となる体験ができるなんて素敵ですね。