デンマークを代表する建築家 Vilhelm Lauritzenのデザインによる、Fritz Hansen 製のヴィンテージスツール。
中心に向かってわずかにアールを描く座面を、U字の脚部が挟み込むように取り付けられた印象深いデザインです。素材にはこの時代ならではの目の詰まった上質なチーク無垢材が贅沢に用いられています。デザインのポイントとなっているハンドル部分は削り出しによるもので、ダイナミックな木目と共に高度な技術を直に感じることができます。
座面は新たにブラックレザーにて張り替えを行い、合わせて内部のウレタンも交換済です。ファブリックのものとはまた異なる、シックで落ち着いた雰囲気に仕上がっております。
19世紀半ばに小さな工房からスタートしたFritz Hansen 社。現在ではセブンチェアを始めとするスチール脚を用いたモダンなデザインが代表的なメーカーですが、年代を遡るとこの様な工芸的な家具もさまざま生み出していました。静かな佇まいながらモノの放つ力が際立っているため、玄関先の飾り椅子としても非常に絵になると思います。
また彼の設計事務所にはFinn Juhlが勤めていたことでも知られており、自身の設計した建物に合わせてデザインした照明などプロダクトにおいても名作を残しました。特にこちらは近年現地でも出会うことが難しい希少なものとなります。
丁寧な修復を行い、全体的に綺麗な状態です。脚部には小キズが残りますが、雰囲気を損ねない程度のものかと思います。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。