デンマークを代表するデザイナーのひとりBørge Mogensenが1957年にデザインしました、P. Lauritzen製の初期のヴィンテージ アームチェア。
華奢なフレームは側幕板の前後の厚みを変えることや、一般的に座面下にある貫を床まで下げて前後の脚を繋げるボックス型にすることで、軽量で華奢な見た目からは考えられないほど丈夫にできています。また笠木から続く後ろ脚に傾斜を持たせることで、真っ直ぐに座る時やリラックス時など様々な場面でしっかりと背中を支えてくれます。
フレームの素材にはローズウッド材と並ぶ高級木材であるマホガニー材が用いられ、落ち着いた木目でエレガントな雰囲気を漂わせています。そして背と座面は籐編みによるもので、傾斜のあるデザインゆえにより高度な技術が求められます。
初めにP. Lauritzenにより製造されたこのシリーズは、1970年代からはFredericiaに引き継がれ、一旦は廃盤になるものの2020年より復刻されるという、時を経てもなお人を惹きつける魅力があります。こちらはその中でもP. Lauritzenにて働いていた職人が退職時に工房より複数脚を譲り受け、長く大切に保管していたというストーリーを持つデッドストックです。そしてマホガニー仕様は復刻されておらずヴィンテージ品のみになります。
脚部の作りが日本の”畳ずり”と同様のため、和室での使用も畳を痛めずに良さそうです。もとはロココ様式から着想を得て強度を保つために生まれた構造が和の椅子と同じデザインとなったことは、普遍的な美しさという共通点からかもしれません。
自然と肘が掛かかる絶妙なアームの高さに、なめらかなカーブを描く笠木は背当たりも良好です。そのため、ダイニングで食事をした後などに、ゆっくりとした時間が過ごせるのではないでしょうか。
丁寧にサンディング(研磨)した後に再塗装を行い、非常に綺麗な状態に仕上がりました。背と座面は新たに熟練の職人により籐編みを施しました。ヴィンテージのフレームに新品の座り心地を両方楽しめる贅沢な一脚となっております。籐がゆっくりと飴色に育っていく過程もお楽しみいただけます。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。
※修復前のものが複数台在庫にございますので、ご入用の場合はご相談ください。
とても雰囲気がある椅子のため飲食店や旅館などの施設にもお勧めです。