1906年に時計職人の工房からスタートした老舗メーカーWesterstrand社の、1940年〜1950年代スウェーデン製のヴィンテージ壁掛け時計。
本体はすべて木製とは思えないほど表情豊かなもの。まず正面は円を放射状に12分割させて、メープル材を角度をつけて貼り合わせることで星形(六芒星)の模様が浮かび上がってきます。このペイントではなく貼り合わせだけで仕上げた、当時の職人の遊び心と高い技術に驚かされます。
そこに色味の異なるローズウッド材を用いてドットとスティック状の象嵌を施し、味わいのあるインデックスにしています。中心にはチョコレート色の長針、短針を据え、北欧ヴィンテージらしく穏やでありながモダンな印象のデザインに仕上げられています。
オリジナルはゼンマイ式の振り子時計だっため、内部には真鍮の振り子などを含め精密なパーツが詰まっていました。現在の同社はスタジアムの時計から家庭用の時計と幅広い商品を製造していますが、今回の時計は同社の歴史の中でも職人の手仕事が残っていた時代の素晴らしい逸品です。
存在感があるためリビングの白い壁面にかけるだけで、部屋のインテリアにあたたかみを添えてくれそうです。表面の塗装は経年により器の貫入のように風合いを生み出していたりと、全体を通してストーリーを感じる一台です。
丁寧な修復を施しまして、きれいな状態に仕上がりました。動力は単三電池1本を使用する新しいムーブメントに交換済のため、新品同様の使い心地です。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。