1955年Yngve Ekstromのデザインによる、スウェーデンAB Westbergs Möbler製のヴィンテージキャビネット。
上下ともに扉に施された彫刻的な装飾に目を奪われます。掘り込まれたのは単純化されたカップやプレート、キャセロールなどで、決してデコラティブにも甘くもなりすぎない絶妙なさじ加減なのはさすがの一言。これは大工であった父親の影響で、小さな頃から木工や彫刻に親しんでいたEkstromだからこそのデザインではないでしょうか。
雰囲気のある鍵を取っ手に上部の扉を開くと、可動式の棚板が3枚備わった広い収納部が現れ、最上段のみ奥行きが浅い棚板です。下部の扉を開くと同じく可動式の棚板が1枚と、さらに天板下には引出しが2つ備わっています。
こちらのキャビネットは上部がオープン仕様だったりガラス扉だったりといくつかのデザインがありますが、今回は上下ともに彫刻の施されたスペシャルなもの。そして、過去に扱ったものと異なる点は上下の天板のエッジにテーパーの掛けられたオークの無垢材をぐるりと回していること。さらに脚部が台輪でなく、先端に向かいグッと絞った特徴的なデザインの4本脚であることも、より希少性を高めています。
大容量の収納力を備えカップボードや本棚と大活躍してくれる一台で、工芸的な美しさはインテリアの主役となることと思います。スカンジナヴィアン・モダンを代表するデザイナーの一人で、スウェーデンのみならずロンドンやパリなどの美術館にも収蔵されているEkstromの作品と共に暮らしてみてはいかがでしょうか。
丁寧な修復を行いまして、全体的に非常に綺麗な状態です。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。
※上下はセパレート式ですが、大型家具のため設置場所・搬入経路の十分な確認をお願いいたします。