デンマークを代表する芸術家Axel Saltoが制作した多色刷りの木版画。
生い茂った木々の合間から差し込む太陽の光が、戯れる鹿たちを照らしています。好物の木の実があるのか、大小4頭もの鹿が大木に群がっています。さらに目を凝らすと水浴びをしているようなクチバシの長い鳥も見え、豊かな森の穏やかな一場面を切り取っているようです。
鹿はサルトが好むモチーフのひとつで、特に”自分の弟のように思い、鹿と自分を同一視していた”と語っているほどに愛情を持って描いていました。
半画用紙の上には薄茶や白、グレー、ブルーに浅緑など、やわらかな色味で多色刷りされています。木版画らしい線のタッチから色の配置のグラフィカルな様子など、見どころたっぷりの一枚です。左下にはエディションNo.189/260、右下にはサインが鉛筆によって描かれております。
Royal CopenhagenやBing&Grondahlに在籍していたため陶芸家としての印象の強いSaltoですが、パリ留学から戻った1920年代にはVilhelm Lundstromら同年代を生きた画家4人でグループを組みグループ展を開催するなど、芸術家としての様々な顔を持っていました。
リビングや寝室などの壁面にかけるだけで、スッと周りのインテリアになじむ色合いで、空間に奥行きを与えてくれることと思います。近年さらに評価が高まるSaltoの作品を、日常に取り入れてはいかがでしょうか。
オリジナルのフレームはペイントが施された、ヴィンテージらしさを感じる味わい深いものです。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。