1950年代デンマークClementa製のヴィンテージ壁掛け時計。
真鍮製のローマ数字のインデックスが並んだチーク無垢材の円形プレートと、一段上がって厚みのあるチーク無垢材のボディの中心から真鍮製の長めの針が2本伸びています。2つのプレートの間を繋いでいるのは、細かくスリットの入った真鍮製のリングで、オリジナル内部に入っていた時刻を知らせるベルの音を外に響かせるためのものでした。
2枚のプレートのうち内側は凸レンズのようにふくらみ、もう一方の外側は削り出すという非常に凝った作りで見応えがあります。間の真鍮リングも含めた凹凸が壁にかけた際に陰影を作り出し、他とは一線を画す美しさにつながっているようです。
1924年に時計職人Clemen Jorgensenが設立したラジオ製造を中心としたTelavox社は、他社よりもより精密なムーブメントを作り数多くの時計も生産。その後1952年に時計部門を切り離して、Clementa社が設立されました。兄弟にキャビネットメーカーがいたことで、チーク自体も非常に上質なものが用いられ、ひときわ質の高い時計が作られたのだと思います。
存在感のある一台は白い壁面を印象的に彩り、空間全体をグッと高めてくれることと思います。エレガントかつすっきりとしたデザインのため、現代の家具にも溶け込んでくれそうです。
動力は単三電池1本を使用する、新しいクォーツ式ムーブメントに交換しました。通常よりも重いオリジナルの針を生かすために、質の高いムーブメントを用いております。下方に見られる穴は元々コードが伸びてコンセントに差して使っていた名残で、そんな部分にもヴィンテージらしい重ねた年月を感じます。そのほか細部の状態などは、画像をご参照ください。