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旧白洲邸『武相荘・夏』
2014年7月14日
日曜日の休日の続きを...ランチを終えて、あざみ野から町田へ移動、旧白洲邸・武相荘へ行ってきました。
ここは随筆家の白洲正子とその夫・実業家の白洲次郎の邸宅で、そのままの姿を保存し一般公開しています。土壁と竹でできた門をくぐり、竹林を抜けて母屋へ。暑い一日だったのですが、気温がぐっと下がって爽やかな風がそよいでいます。
江戸時代に建てられた立派な茅葺き屋根の母屋。2人が移り住んだのは終戦直前、その前は養蚕農家の邸宅だったそう。海外留学をされているお二人、特に”日本で初めてジーパンを履いた男”の次郎氏が選んだ終の住処が、都心から離れた村にある純和風のお宅というのに興味を抱きました。後で本を読むと「地方に住みながら中央の政治に目を光らせ、いざ鎌倉というときには中央へ出て、彼らの姿勢を正すといった人間=カントリー・ジェントルマン」というイギリス上流階級の流儀が彼の心にあったからなのだと納得。
そんな母屋での展覧会『武相荘・夏』(内部は撮影禁止です)。囲炉裏のある部屋には正子さんの揃えたガラス器が並び、寝室には夏の着物が。その他正子さんの書斎やタイル張りの土間など内部をゆっくりと見て廻りました。畳に腰を下ろして彼らが見たであろう庭の風景を同じ目線で見たり、国の内外、工芸・民芸・有名無名問わずに集まった調度品の数々に驚いたり、その設えの美しさに感じ入ったり。日本の伝統美に傾倒し、銀座に染色工芸の店「こうげい」を営んでいた彼女の選んだ日用品を自邸で拝見する贅沢さ、空間全体を味わうようなとても貴重な時間でした。
靴を入れる袋は、玄関先に置かれた作業籠の中に。
ベントレーから始まり晩年にはポルシェを乗り回していた車好きの次郎氏、車庫だった場所は休憩所となっていました。
実際に見に行って、手に取って、感じて。自分だけの美の基準、ものを見る目を養おうと思ってはいるのですが、まだまだ知りたいこと、学ばなくてはいけないことが山ほどあることを痛感しました。。