HOME › hanauta › Bunkamura ザ・ミュージアム『バンクス花譜集』展

hanauta

Bunkamura ザ・ミュージアム『バンクス花譜集』展

2015年2月12日

IMGP3646.jpg

この前の休日、夕方から渋谷のBunkamuraで開催中の『バンクス花譜集展』へ行ってきました。

バンクス氏は独学で植物学を学んでいたギリス人で、クック船長率いるエンデバー号の乗組員として1768年より3年におよぶ航海に同行しました。航海と聞くと、冒険!開拓!といった具合のイメージが浮かぶのですが、この時の航海の目的は太平洋での天体観測だったそうで、そんな自然科学が目的の航海もあったのだと面白く感じました。バンクス氏の他にも植物画家も同行して、タスマニアやオーストラリアといったポリネシアの島々の植物採集や、動植物のドローイングを行ったのだそう。

IMGP3644.jpg

今回の展覧会では、ドローイングを元にした多色刷りの銅版画が展示されているのですが、作品ごとに植物の説明や現地での用いられ方などが詳しく書かれており、ただ作品を鑑賞するというよりは冒険の足跡をたどっているような面白さがありました。

植物図譜の発行を企画したバンクス氏、生前は彫板の完成までしかたどり着くことができなかったそう。その後200年の時を経て、大英博物館に収蔵されていた銅板にて100部限定の花譜集が完成。彼がこの豪華な花譜集を見たら、どんな探検物語を私たちに語ってくれたのでしょうね。ただ作品だけを眺めていては感じえない作品の裏にある物語を、想像力で補って鑑賞してはいかがでしょうか。

【Bunkamura ザ・ミュージアム】東京都渋谷区道玄坂2-24-1

カテゴリー:ART&CULTURE

バックナンバー