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蔡國強『帰去来』展 @横浜美術館
2015年8月27日
ランチの後は、みなとみらい横浜美術館で開催中の蔡國強『帰去来』展へ。
中国からより自由な表現を求めて1986年〜1995年まで日本に移住し、その後ニューヨークへと拠点を移したした現代アーティストの蔡國強(Cai Guo-Qiangサイ・コッキョウ)。そんなアーティストとしての原点・日本へ戻るという意味で『帰去来』というタイトルが付いた、日本では7年ぶりの大規模な展覧会です。
入り口正面のグランドギャラリーの壁面に展示された作品『夜桜』、みみずくの潜む暗闇を舞台に、かがり火に照らされた桜が艶やかに描かれています(こちらのみ撮影可能)。火薬を爆破させて和紙に画像を定着させるという、聞いただけでは??となってしまう彼独自の手法によるもの。
『You Tube/Casa Brutusより』
毛筆で描かれた線を切り抜いて型を取り、何枚もの型に種類の異なる火薬を撒いていきます。幽玄なタッチからは想像できない破壊的な手法は、予定調和ではいかない偶然性を秘めているからこその美しさもあるのでしょうね。
『You Tube/Internet Museum』より
『春夏秋冬』は磁気のパネル240枚を用いた作品、蔡氏の故郷である福建省泉州市は磁気の生産地として有名な土地だそう。薄い磁気を重ねて作られた花々は、儚く美しい。。
『You Tube/Internet Museum』より
代表作のひとつ『壁撞き』は、99匹の狼が見えぬ透明な壁に打ち破れては立ち向かっていく様を描いたもの。元々ドイツで開かれた個展のために作られたもので、ベルリンの壁崩壊後も見えざる壁がありそこに挑み続ける人々の思いがモチーフとなっています。
彼の作品には歴史や社会性を含んだ作品が多いのですが、それは決して対立や批判をテーマとしたものではなく、アートの力で調和・共存していこうという温かさを感じるもの。そう、アートにはそんな素晴らしい力があるのだ!と頭ではなく心で感じることのできる素晴らしい展覧会でした。