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【ART】マーグ財団美術館 と 南仏の思い出
2017年6月19日
ジャコメッティ展で多くの作品を貸し出していたマーグ財団美術館を、以前に訪れたことがあります。展覧会で作品を見ながら、そんな一人旅の懐かしい記憶を辿ったりしたので、そのことを少々記そうと思います。
オレンジ色の屋根に白い外壁、海に面して岩山のそびえる、南仏らしい風景。
そんな南仏ニースからバスに乗り、いくつもの山を越えたところにある Sait Paul de Vence へと向かいました 。この辺りにいくつかある鷹ノ巣村と呼ばれる岩山の頂にある村で、まるでおとぎ話にでてくるような風景なのです。
村の中心には車が入ることができず、狭く可愛らしい石畳の小径をお散歩したのを覚えています。この村はたくさんの芸術家にも愛され、晩年に定住したシャガールのお墓を見ることもできました。
さてさてマーグ財団美術館は、そこから山道を15分くらい歩いて不安になったあたりで到着。
ちょうど工事していて入ることができない部屋もあったので、また再訪したいなぁと思いつつ今に至っています。。
パリで画廊をしていたマーグ夫妻が、故郷である南仏に私設美術館を設立したのが1964年のこと。ジャコメッティだけではなくミロや、カルダー、ブラックといった親交の深かった芸術家たちの寄贈した作品を見ることができます。
庭園にはミロの噴水も!ここは今まで訪れた中でいちばんの美術館として、心に深く刻まれています。
* * *
バスの出発点となったニースは光がさんさんと降り注ぎ、たくさんの魅力が詰まった大好きな街。
そんな気候に恵まれた南仏にはたくさんの芸術家も惹かれ、ゆかりのある場所がたくさんあります。先に出てきたシャガールだけではなく、マティスにゆかりのある礼拝堂や、セザンヌやゴッホのモチーフとなった小さな街が点在していたり、
さらにはジャン・コクトーの壁画などが見られる小さな街があったり。図録や美術館ではなく、その場に行かなくては見ることのできない作品に対峙すると、あぁ彼らも生きていたんだなぁと、歴史上の人物なのではなく生の人間として実感できました。
もちろん食べ物もなのをいただいても美味しく、大都会・パリとはまた異なる魅力がたっぷりで、いくら時間があっても足りないほど。買い付けの度に、次こそは帰りに数日だけでも寄りたいと話しながら、時間を取ることが叶わないこと早数年…気長に再訪を待ちわびるのでした。