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【初夏たび・ART】COMICO ART MUSEUM @大分・湯布院
2019年7月 7日
湯布院では雨の金鱗湖を眺めたり…
目にも楽しい昼食をいただいたりしましたが…街中では(日本人の比率の方が少ないと思われる)インバウンドの波に圧倒されていました。
そんな波から避けるように、早々にこちら「COMICO ART MUSEUM」へ。
こちらは設計・隈研吾、アートディレクション・原研哉と、日本を代表するお二人の手がけた昨年オープンの小さな美術館。展示室は2部屋のみで完全予約制と、観光地でよく目にするちょとした美術館とは一線を画すスペースです。
ギャラリーⅠには村上隆の作品は6点。展示室内は光量を絞っていて、暗がりの中に作品が浮かび上がっています。右に見えるのは、久しぶりのDOBくん!
江戸時代の絵画のモチーフとしても良く扱われる”雪月花”も、村上ワールドではこんな新解釈に。それぞれの回には専属のスタッフさんの案内があり、分かりやすい解説とともに鑑賞することができます。普段あまり現代アートを目にしない方でも、こうして少し手を引いてもらうだけで理解が深まるので良いですね。
もちろん印刷の手法など、技術的な深い話もしていただけました。
ギャラリーⅡには一旦室外へ出て、軒先を通るようになっています。外壁は焼杉を用いており、周囲に溶け込むような工夫ですね。それにしても同じ隈建築の根津美術館を思い起こさせるデザインです。
そしてギャラリーⅡには杉本博司の作品「海景」が5点。こちらでも、どこの海で、どのような状況で、どのような思いでシャッターを押したのか話を伺うことができました。
ちょうど春に行った「江の浦測候所」の話をすると、あちらの「夏至光遥拝100メートルギャラリー」に飾られているものは杉本さんの秘蔵作品だという”こぼれ話”まで。。
ここで部屋の全体を写すと…ギャラリーⅠが見えるのです。内側がガラス壁に、真ん中は外から続く水盤になっています。そしてちょうど正面に見える村上作品の月を受けるように、水盤に光が!
これが反対側からの景色。予約制&時間指定の拝観方法である理由のひとつが、一方の空間にいる時にもう一方が空の状態で作品を見てほしいからだそう。これは他に見ない展示室ですし、作品だけではなく建物自体も鑑賞対象なのだなぁと実感しました。
2階はラウンジ。壁面は和紙!
外を望むと…
日田の石を使った枯山水式庭園があり、その先には由布岳。アートと自然、そして建築と、濃密なひと時を過ごすことのできる美術館でした。
そうそう、ピクトグラムまで焼き杉だったのには驚きました。このピクトグラムは原さんではなく、隈研吾設計事務所の方で作ったのだそう。大分では他にも坂茂設計の大分県立美術館にも行きたかったのですが、それはまた次の機会に。。
この旅で大分は、水と緑のイメージが定着。あちこち旅するごとにお気に入りの場所が増えていくのは、とても素敵なこと。そして新しい場所はもちろん、同じ場所にまた戻ってきたいと思ってしまうのです。
おまけ。ちょうどドライブしていて遭遇した滝、ダイナミックです。