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【晩秋さんぽ・ART】Syncopation 世紀の巨匠たちと現代アート展 @ ポーラ美術館
2019年11月20日
蚤の市も終了してホッと一息な休日、箱根までドライブに行ってきました。お目当は箱根の中でも大涌谷を超えた先にある仙石原、ポーラ美術館での企画展です。
エスカレーターで下っていくと開放感のある大空間、今の時期はちょうど紅葉を見ることができました。
今回のテーマは「syncopation シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」というもの。ひとりのアーティストの回顧展とは異なり、どんなキュレーションになるのか想像できずにワクワクと中に入ります。
入ってすぐにお出迎えしてくれたのは、モネの「睡蓮」。その先には…
【今展覧会チラシ・オモテ面】
チラシの表紙になっている現代アーティスト、セレスト・ブルジエ=ムジュノの作品が現れました(会場ではこの作品以外すべて撮影可でした)。
【今展覧会チラシ・ウラ面】
ポーラ美術館所蔵の近代美術の巨匠作品と、それに影響を受けた or 関連した現代アーティストの作品、つまりきっちりと拍を打つ正統派の巨匠の作品と、拍をずらしてリズムに変化を与える現代アーティストの作品が組み合わさって、計12の章から展示が進んでいくのです。それでシンコペーションというタイトルがついたのか!とこの2作品を見て展覧会の意味がスッと入ってきたのには、さすがのキュレーションだと感じました。
ここでは何と エドゥアール・マネ と ヴォルフガング・ティルマンス!この2人にはどんな共通項があるのかというのは、入場の際にいただくパンフレットにわかりやすく掲載されています。ふむふむ。。
また別の部屋ではモネ、ルノワールら印象派の作品と横溝静の映像作品が、暗闇の中に浮かび上がっています。一見つながりのない作品たちには、章それぞれの副題に絡んだ共通項が見られ、その根底で繋がるものを読み解いていきます。ここでは”100年のワルツ”。在りし日の思い出を記憶にとどめて風景を描くボナール。そんな彼の作品を受けて現代アーティストの横溝氏は、ショパンのワルツを弾く4人の年老いた女性を住み慣れた部屋の風景と共にループさせていきます。この暗闇にひとり佇んでいると、今ではないどこか心地よい永遠とも思える時空に紛れ込んでしまったかのように感じました。
そして壁面いっぱいの油絵。ここではピカソやと、渡辺豊氏の作品が並列されています。
今回の彼の作品は、人物名をインターネットで検索して、探し出されたイメージを組み合わせて肖像を描き出すのだそう。巨匠の作品(立派な額のもの)と対となるように同イメージの肖像画が飾られているのですが、より多面的となった複雑な抽象画へと変わっています。考え方はピカソと同じキュビズムなのに、そこにインターネット検索という不確かな情報も含まれているのでしょう。。はっ、それが加わることでズレが生まれ、これもひとつのシンコペーションだ!と気づき、思わず膝を打ちたくなるようなワクワクする思いで鑑賞しました。
楽しさ、可笑しさで胸いっぱいになった後は、最後の章のために屋外にある森の遊歩道へ向かいます。