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ソフィ カル『最後のとき/最初のとき』
2013年6月 3日
千葉からの帰り道、まだまだ時間があったので原美術館で開催中の『ソフィ カル 最後のとき/最初のとき』へ。
写真とテキストを組み合わせた作品を制作するフランスを代表するアーティスト、ソフィ・カル。今回の展覧会は視覚・認識についての考察をテーマに、「美とは何か、見ることとはどういうこととか」を私たちに問うもの。初めて見る作家さんで難しいテーマゆえ、キュレータさんと一緒に回るギャラリートークに参加しました。
1階フロアに展示された「海を見る〜最初のとき〜」は、初めて海を見た人々の表情を捉えた大小11の映像が、波の音とともに映し出されています。海に囲まれたイスタンブールに生まれながら、貧困を理由に海を見ることすらできなかった人々。そこには戸惑いや驚きの表情、そして涙が頬を伝っていたり。「最後に見たもの〜最後のとき〜」は、視力を失った人々に最後に見たものの記憶を伺い、彼らの写真とそのイメージ写真、そしてテキストが1つの作品となっています。事故や病気によって視力を失った人々の記憶を追体験していき、見終えた後には苦しみや痛み、もやもやとしたものが心に残されていました。
美しいものを見るだけでなく、投げかけられた問いに向き合うのもまた現代アートを鑑賞するということ。とにかく考えさせられる展覧会でした。
【原美術館】 東京都品川区北品川4-7-25

















