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【秋旅③】村野建築を味わう

2015年10月 4日

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それでは館内を散策〜。

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まずは新館の入り口。余計なもののない、広い土間が広がっています。右上の意匠は”猪の目(いのめ)”といってイノシシの目を模したもので、魔除けの役割をしているのだそう。勉強になります。。

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見上げると、村野氏デザインのモビール風の照明が目を惹きます。格天井に開けられた花のような穴からも明かりが漏れていて、星空をイメージした天井となっています。

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土間から上がった廊下には…

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竹を編んでいるのかしら、非常に細やかな仕事のなされた光天井。

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天井つながりで…こちらは本館玄関先の廊下、お見事な網代の船底天井!

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さらに天井つながりで…館内の照明を。客室や廊下など、それぞれの場所に合わせた照明が設置されています。特に本館玄関の白磁のペンダントランプ、お見事な工芸品ですねぇ。。そういえば目黒区庭園美術館の朝香宮邸でも、部屋の特徴に合わせた照明が付けられていたことを思い出します(あちらは洋館ですが)。

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廊下からは常にお庭を眺めることができます。館内の廊下に敷かれたこの絨毯は”雲の上を歩いているように”という意味のデザインなのだそう。

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こちらは見せていただいた宿泊した所とは別の、新館の客室。左脇はお茶室として独立できて、何と水屋も付いています。

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そのままお庭に出ることができるのですが、木々の隠れて他の部屋を感じることがありません。新館全体は長〜い廊下で繋がってはいるものの、それぞれが独立した一軒家のような造りとなっています。

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こちらは玄関アプローチに独立して建てられているラウンジ。

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この三養荘は、昭和63年に完成した村野藤吾氏最晩年の作品。前年に亡くなられたその意思を次いで、最後はお弟子さん達が監修して完成したのだそう。全体を通して見ると、丸みを帯びた窓やオリジナルのテーブルなど、やわらかな曲線を使ったデザインを多く感じました。

9月中旬まで目黒区美術館で『村野藤吾の建築』展が開催されていたのですが、買い付け前ということで時間が取れずに行かなかったことを後悔...まさか泊まることになるなんて思わなかったし。。今年の春に広島を旅した時に訪れた世界平和記念聖堂もそうですが、今まで触れてこなかった村野建築に縁のある年なのでしょうか。まずは勉強のために、目黒区美術館に図録を買いに行こうと思います。

 

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