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【春たび・出雲路②】界 出雲
2017年3月19日
暗くなる前に、本日のお宿「界 出雲」へ到着。
こちらは松江市内から20分ほどにある、玉造温泉にあるお宿。温泉街の真ん中を通る玉湯川には足湯もあって、風情ある街並みです。
低層で客室もさほど多くはないため、ひっそりとした空気が漂った館内。まずはお部屋へ〜。
掃除の行き届いた清々しい空間に身を寄せると、さっそく寛ぎモードに。可愛らしい木箱を開けると郷土菓子の詰め合わせ、浴衣は亜麻100%の浴衣に手提げ袋としても使うことのできる風呂敷など、他の宿とは違ったしつらえに、おもてなしの心を感じますね。
夕食は部屋ではなく、客室棟とは竹庭を挟んで向かい側にあるお食事処へ。暖かな灯りがワクワクを増してくれるようです。
地のもの旬のものがぎっしりで、身体が喜んでいるのがわかります。そして盛り付けや器など、目で見ても楽しめるのも素敵ですね。特にびっくりしたのは「桜餅のエビ射込み」。桜餅を椀ものの具に仕立てるなんて斬新で、くずすと上に乗った桜の花がパッと出汁の上で咲く春の演出でした。
お造り取り合わせは、小さな鉄砂色の石州瓦に一口サイズで盛られています。それぞれに味もついていて、とにかく美味しい!
美味しい時間はあっという間...〆の甘味は、酒粕のデザート。ふわっと香る酒粕に、クリームチーズを合わせていて、さっぱりとした締めくくりとなりました。
食後はもちろん大浴場へ。夕方、夜、翌朝と、贅沢にも1日3回通ってしまいました。。。部屋にも露天風呂は付いていましたが、大浴場好きとしては、こちらに直行です!
夜遅くで誰もいらっしゃらなかったので、帰りがけに露天風呂を一枚だけ。出雲風土記にも出てくるという玉造温泉の効能は、ずばり美肌。その効果は抜群で、お風呂上がりは身体に何も塗らなくてもしっとり。
翌朝はの館内を散策〜昨晩とはまた異なる雰囲気でお庭を愛でることができて、楽しいひととき。
竹庭も清々しい空気が立ち込めていて、朝食も美味しくいただきました。着物ではなくスタイリッシュなオリジナル服に身を包んだ従業員さん達、女将さんもいないモダンな宿ですが、笑顔あふれる心のこもったおもてなしが心に残る、寛ぎのひと時を過ごすことができました。
そして楽しみにしていた共有スペース「トラベルライブラリー」。郷土にまつわる本をただ置くのではなく、コンセプトブックストアのように、旅や歴史本はもとよりアート本や器についてなど幅広い分野の本が揃っています。
フリードリンクのコーナーで使われているマグカップは、お同じ地域にある「湯町窯」のもの。こういったおもてなしも素敵ですよね。
ということで翌日は、湯町窯におじゃましました。こちらは大正11年創業で、現在は3代目、4代目が活躍されています。昭和初期の民藝運動の際に柳宗悦やバーナード・リーチが訪れ、スリップウェアなどを直接指導していただいたそう。いまでもエッグベーカーなどのロングセラーが残っています。奥様に伺うと、棟方志功氏とも仲が良かったそうで、壁にかかっている直筆の書面や器を拝見しながら話を伺うことができました(玄関に掛かっていた表札も棟方志功のものだそう!)。
たくさんの中から、黄釉とスリップウェアの小皿を2つお持ち帰り。我が家の器はスッとしたものが多いのですが、どんな組み合わせで使おうか楽しみです。