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【春たび・出雲路③】端正な庭園を愛でる
2017年3月21日
松江市内より車で30分ほどの所にある足立美術館。遠方のためになかなか足を運ぶことが難しいので、嬉しい機会となりました。
こちらは美術品よりも庭が有名な美術館で、およそ5万坪の館内に6つの庭園を有しています。日本の庭園を世界に紹介する米紙「The Journal of Japanese Gardening」にて14年連続1位を獲得し、逆輸入のように日本でも知られるようになりました。
「枯山水庭」メインの庭で広大な面積なのですが、まぁ手入れの行き届いていること!〜庭園もまた一服の絵画である〜この美術館を創設した実業家の足立氏の信念が、スタッフさんや庭師さんなど皆に行き渡っているのでしょうね。
雨上がりのため、立てられた石も黒く艶やかに光っていました。
「苔庭」説明によると、岩の斜面の角度と計算して赤松を植栽しているそう。苔もビロードのようで、拝観者が自由に出入りできると、なかなかここまで育てるのは難しいのでしょうね(全ての庭は建物の中からガラス越しに観るようになっています)。
「池庭」ち、緻密です。苔にも松にもスペアがあって、何かあったらすぐに手入れができるようになっているのだそう。
「生の掛け軸」足立氏の生家が移築されていて、隣の部屋の床の間とこちらの壁が抜かれて、向こう側の景色を愛でるようになっています。
「生の額絵」た、たしかに。。
「白砂青松庭」同タイトルの横山大観の絵画を模したのだそう。
借景となっている句稿側にそびえる鶴亀山に、那智滝を模した15mもの人口滝を作ったのだそう。こちらも大観の絵画をイメージしたもの。す、スケールに驚くばかり。。
たくさんの庭をいっぺんに観ていると、自分にとっての好きな庭はなんだろう…という思いが浮かんできました。20代半ば頃に京都に魅了されて、2人で年に何度も通っていたことがあります。その中で禅寺にある枯山水庭園にはまってしまい、あちこちへと出かけました。水を表す白砂や大地を感じる石組みなど、小面積で雄大な世界を表すことに美しさを感じたのです。
この足立美術館は(私などとは比べ物にならないくらい)庭に魅了された足立氏の思いを賭けて取り組んだお庭。寸分の狂いもないほど緻密に作り込まれた広大な庭を見て、たくさんの庭への解釈や美しさがあることを学びました。