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【秋たび・香川デザイン紀行5】イサム・ノグチ庭園美術館
2018年10月 4日
今回香川では直島ではなく高松をメインにいくつかの美術館に立ち寄ったので、順不同でご紹介します。まずはオペラシティで回顧展を開催していたイサム・ノグチ庭園美術館。
この美術館は週3日の開館かつ往復はがきでの事前予約が必要なため、「思い立ったら吉日」の私たちには中々のハードルの高さ。。とはいえそこから旅への思いが募ったようで、むしろ楽しみが増えるように感じました。まずは別棟の受付に集合して、案内の方と共に庭園へと向かいます。
この先が庭園美術館(ここが唯一撮影可能な場所で、これより先は撮影不可)、晩年に1年の3分の1ほどを過ごしたアトリエ作りは、この先に見えるサークルの石を積むことから始まったそうです。奥に見えるは五剣山、ここ牟礼は言わずと知れた花崗岩の庵治石の産地です。建築好きであちこち回っていると素材となる石にも興味が湧いてきて、大谷石や芦野石などの産地にも足を運んだりとマニアック度が増しています。。
石垣 ”マル” の中がアトリエとなっており、雨天以外は屋外での作業がほとんどだったそうです。完成、未完成品が無造作なようで緻密に計算された位置に置かれ、作業場の中には「彼がいつ戻ってきても良いように」と実際手にしていたノミなどが整然と並んでいます。
【イサム・ノグチ庭園美術館 パンフレットより】
代表作「エナジーヴォイド」の展示のためにと、明治時代の酒蔵を移築して展示棟として庭園脇へ。そのほか晩年に制作した彫刻庭園や香川での時を過ごした「イサム家」などがあり、およそ1時間と区切られた中で回るにはあまりに濃密すぎて、後ろ髪を引かれる思いでした。
”マル” の後ろに見える石切り場からは、まさに石を切り出している作業の音が響いてきます。作品の素材に庵治石を使うことはあまりなかったそうですが、制作のパートナーとなった和泉氏の存在はもちろん牟礼の自然環境に惹かれたのでしょうね。
思えば10年以上ぶりとなる再訪。以前は感じられなかったことに気づくことも多く、少しだけでも成長できていることに嬉しかったのでした。
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