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【秋たび・香川デザイン紀行3】家プロジェクト
2018年10月 2日
船が着いた先は ”ましおな” …ではなくお隣の島である直島、ベネッセアートサイトの中心地です。
船着場では、変わらぬ草間弥生「赤かぼちゃ」がお出迎え。
フェリーポートにもなっている玄関口は海の駅にもなっており、お土産物屋から観光案内所、切符売り場なども入っています。大屋根を細い支柱で支えている平屋建で、豊島美術館設計の西沢氏と妹島和世氏からなるSAANAらしい設計。
メタリックでシャープなデザインなのに不思議と自然に溶け込んでいるのは、壁面が大きなガラス張りゆえかしら。ここでもレンタサイクルを利用して、本村地区に点在するアートプロジェクト「家プロジェクト」へ向かいます。
宮島達男「角屋」(家プロジェクトすべて内部撮影不可)。築200年にもなる古民家に脚を踏み入れると、そこは水を張られた水面に浮かぶ無数のデジタルカウンター。先日谷中のギャラリー・SCAI THE BATHHOUSEで拝見したものと比べると20年ほど前の作品になるのですが、テーマというか根底にあるものは同じメッセージ性を感じますね。
この家プロジェクトは島の古くからの住宅地に点在していた空き家を改修して、ひとつの建物にひとりのアーティストの作品という贅沢なもの。島の自然やそこに流れる時間や歴史までが、アートと一体となっているのです。
ジェームズ・タレル「南寺」。コンクリート造を得意とする安藤忠雄氏の珍しい木造建築の中で経験する、光と空間のインスタレーション。今では同じ直島にある地中美術館や金沢の21世紀美術館でも彼のインスタレーションを体験できますが、初めて経験した時は15分間まるで自己を見つめる静謐な時間に驚きました(そしてそれは何度経験しても変わらぬ驚きを与えてくれます)。
壁は直島伝統の材である焼杉板。南寺という建物名は、かつてここに寺が建っていたから。
サイクリングの途中で時折出会うカラフルな暖簾、これは私たちが直島に初めて訪れた2001年スタンダード展の作品のひとつ。作家の加納さんが民家それぞれの話を伺い染め上げていった暖簾を、今もなお使い続けているのを目にすると何だか嬉しくなります。
須田悦弘「碁会所」など他の家プロジェクトを見た後は、千住博「石橋」へ。
経年によって変わっていく襖絵や、この蔵の中で自然光のもので鑑賞するために描かれた「ザ・フォールズ」。まるで時が止まったような空間で動けずにいると、案内の方が裏話や小話などをいろいろと教えてくださいました。
8?9?回目の直島ということで、今回は贅沢に家プロジェクトのみで終了〜。
今年就航となった新造船のフェリー、以前のタイプと比較するとその内部の最新ぶりに驚きました。。
一時間の船旅は、夕陽とともに。
ということで、濃密な一日が終了。