HOME › hanauta › ART&CULTURE › 【秋たび・ART】原美術館ARC / 虹をかける
hanauta
« 【LUNCH】PIZZA CHECK 【秋たび・LUNCH】そば椿庵 »
【秋たび・ART】原美術館ARC / 虹をかける
2021年11月 3日
この日は朝早くから車を走らせ、群馬・渋川までやってきました。
お目当てはこちら、原美術館ARCです。つい一年ほど前に訪れた時の名称は「HARA MUSEUM ARC」だったのですが、品川にあった原美術館の今年1月の閉館とともにこちらに集約され、3月より「原美術館ARC」と名称を変えて再スタートしました。
黒を基調にピラミッド型の屋根をした印象的な建物は、ポストモダンを代表する磯崎新氏の設計。建物展示室ごとに入り口が分かれている面白い作りです。
現在は再スタート後初の展覧会「虹をかける」の第二期を開催中(今回は3つの展示室、ギャラリーA・B・Cともに撮影禁止でした)。どれもが収蔵品なのですが、作品の組み合わせによってまた違う輝きを見せてくれるのが嬉しいところ。
今回一番印象に残ったのは、クリスチャン・ボルタンスキー「プリム祭」。今年亡くなった氏の作品の中でも祭壇がテーマのものを選んだのは元々なのか追悼の意が込められていたのか…以前の個展で同様の作品を見た時よりも胸をつかれました。
ギャラリー内には草間彌生や束芋の常設作品もあるのですが、品川・原美術館にて展示されていた宮島達男や奈良美智の常設作品も移設されていました。奈良さんの作品は部屋ごとそのまま移設されていると思いきや、建物で使われていたドアや窓がまで移築されてバージョンアップ。新たな気持ちで作品に向かい合う嬉しさと同時に、あぁもうあの建物は解体されてしまったのだと寂しさを感じる複雑な思いでした。
廊下を通り抜けて…
廊下の脇に設置されたトイレの横にある扉を開けると…
森村泰昌「輪舞(双子)」!こちらも品川・原美術館にあった常設作品を移築したものですが、さらなるパワーアップを果たしていて可笑しみが込み上げてきました。
その横には、鈴木康広「日本列島のベンチ」。床にはかつてこの場所に生えていたもみの木の年輪を描いたのだそう。
全長7mの日本列島を模したベンチ。渋川市は日本のほぼ中心に位置しているとのことで、私もしばし日本の中心で休憩。。
何度見ても美しい自然の額縁。
こちらの棟には特別展示室の「観海庵」と開架式収蔵庫があります。今は休止中ですが、通常は収蔵庫では予約制で特別公開されることがあるそうなので、いつかの機会に見ることができたら嬉しいな。
そして芝生の向こうにポツンと見えるのは、
デンマークを代表する現代アーティスト、オラファー・エリアソンの常設屋外作品「Sunspace for Shibukawa」。
どこか近未来的な、はたまた妙な懐かしさを感じるような…ステンレス製のドーム型の建物で、上方に見えるポコポコと水晶のような円形のものが一列に並んでいます。
扉を開けるとご覧の通り!虹の光が部屋の壁面を飾っていました〜。
部屋の中から見たプリズム、太陽の光がここを通ることで虹を作り出しているのですね。光や水、風といった自然現象を用いたインスタレーション作品を手がけるエリアソンらしい作品です。
今この時しかない太陽の光を受け止めて描かれた模様は、ゆっくりと移動したり、光の加減が強くなったり弱くなったりと刻一刻と変わっていきます。渋川市のこの場所での太陽の軌跡を見るための装置ということですが、(彼のどの作品を見ても同じことを思うのですが)難しいことを抜きにして純粋に綺麗だなと感じます。
再スタートをきった原美術館ARC、次はどんな展示を魅せていただけるのか楽しみです。