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【北欧だより+】Finn Juhls Hus 前編
2020年5月 2日
ここはコペンハーゲン 郊外の静かな森の中、保険会社で財を成したHansen邸。彼の死後に収集していた美術品を含めて国へ寄贈され、現在は美術館として生まれ変わっています。
同敷地内に2005年に完成した増築部分はザハ・ハディト設計、こちらでは企画展が催されています。旧館とはおよそ1世紀の隔たりがあるのですが、異素材すぎてかえってそれぞれの存在感で並列しているのが面白く感じます。
さらに同敷地内の庭の端っこにあるのが、今回のコラムのテーマ「Finn Juhls Hus」、デンマークを代表する家具デザイナーであり建築家のフィン・ユールの自邸です。
木々に囲まれた真っ白な建物は”コの字”の平屋建て。
端からぐるりと裏側に向かうと…
ブルー部分が入り口です。
入ってすぐに大きな窓から芝生を望むガーデンルーム。自然光が降り注ぐこちらで、まずは来客の方々と談笑でもしたのでしょうか。
備え付けのボックスソファの後ろには、生い茂る観葉植物。窓の外のブドウの蔦が組み合わさって、内と外の隔たりを感じさせない作りになっています。
左手に足を進めると、ゆったりとした作りのリビングルームへ。入り口すぐには暖炉があり、2人掛けのソファ・ポエトをはじめとする自身の家具がお出迎えしてくれます。至る所に掲げられたアート作品は、インテリアの一部として部屋に溶け込むように配置。一際目を惹くこの油絵は、同時代のデンマークを代表する画家ヴィルヘルム・ルンドストロームの作。ユールのパートナーであったハンナ夫人の父親がコレクターであったことから、ハンナ自身がモデルとなったのがこの油絵なのです。
ポエトの向かいに鎮座するチーフティンチェアは、まさにこの暖炉脇で使うためにデザインされたもの。暖炉のそばでゆったりと腰を下ろして寛ぐ姿が目に浮かびますね。
そして壁面にはくくりつけの本棚には蔵書がたっぷり、書斎の上には前回の『北欧だより+』でも触れた照明 ” Radiohus Pendel ” が吊り下がっています。29歳の若さで設計した自邸は少し増築を施しながら、終の住処として晩年まで暮らしました。
リビングコーナーには括り付けのソファと幻のNo.44にNo.45。どの角度から見ても美しい、まさに彫刻作品のようなチェア。。
この扉からはそのまま庭に出ることができるようになっています。ベンチの前に広がる緑を見て、ご夫婦でのひとときを過ごしたのでしょうか。
長くなりそうなので、後半へ続きます。
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