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【ART】東京国立近代美術館 / 民藝の100年 と 館内のチェア

2021年12月 3日

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神保町でのランチの後は東京国立近代美術館へ。ほど近いということもあって、この三燈舎→美術館のルートにすることが多いですね。

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お目当ては現在開催中の展覧会「民藝の100年」。

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(展覧会内で撮影可能だったのはこの一角のみでした。)この書斎の主である柳宗悦の没後60年企画ということで開かれた展覧会。彼は日本各地の生活に根付いた名もなき職人の手から生み出された道具を「民藝」(民衆の工芸)と名づけ、”新しい美の基準”を提唱していきました。

 

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《今展覧会チラシ・オモテ面》

この展覧会は「展覧会は民藝という思想の誕生、各地への民藝発見の旅、新しい民藝の創造、推進のための三本柱”民藝の樹(出版・流通・美術館)” 」と、その足跡100年を年代を追って解説していくもの。柳宗悦とそれに賛同するものの作品、そして各地の民藝品など展示物も多岐に渡りましたが、作品には通常よりも詳しい解説文が添えられているので、それがどういったものでどう見出されたのか、用の美をわかりやすく伝えてくれました。

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《今展覧会チラシ・ウラ面》

一番の感想は作品についてではなく ”勉強になった〜” ということ。普通の展覧会は頭を空っぽにしてアートと対峙するのですが、今回は頭で考えながら進んでいくので見終わる頃にはぐったり。。

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民藝運動についてはこれまでも、柳宗悦の東京・駒場「日本民藝館」、濱田庄司の栃木県・益子「益子参考館」、河井寛次郎の京都「河井寛次郎記念館」、芹沢銈介の静岡「静岡市立芹沢銈介美術館」などなど、各地を旅する際に幾度となく訪れています。そして今回の展覧会で学んだことを定着させるべく、また改めてそれらの場所を訪れなければと思ったのでした。

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さてさて今回は展覧会の画像がない代わりに、常設展の作品…の前に置かれたチェアの写真を撮ってみました。こちらはハリー・ベルトイアのデザインしたサイドチェア。以前宿泊した旅館の露天風呂に置かれていたダイアモンドチェアの仲間で、ミッドセンチュリーを代表するチェアのひとつ。その奥にあるのは渡辺力のリキベンチ。

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日本画の展示ケースのみに光を当てた黒い空間には剣持勇デザインのラタン製のスツール。

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モノクローム作品にはマリオ・ベリーニのCABアーム付きタイプ!ミッドセンチュリー期に生まれた名作椅子という括りで、アメリカ・日本・イタリアとまったく異なるものを、空間そしてアート作品に合わせて配置しているのは素晴らしいですね。

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奥まったこの部屋には壁一面のインスタレーション作品。グッと見上げて鑑賞するためか、合わせているのは座面が低めの柳宗理デザインのバタフライスツール。そう今回の展覧会「民藝の100年」の主役でもある柳宗悦の長男であり、プロダクトデザイナーの柳さんのもの!

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階を上がって見えてきたのは渡辺力デザインのヒモ椅子の復刻版、ロープチェア。

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さらに奥の展望室にはベルトイアのサイドチェアが再びお目見え、目の前が皇居ゆえに、東京の中心にも関わらず広い空と緑の木々という景色が広がっています。気になる展覧会を見るためにあちこちの美術館を訪れるのですが、それぞれの建築に合わせて特色のあるチェアが合わせられているので、それらを味わうのも美術館巡りの楽しみのひとつ…なんて職業病ですね。

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昼過ぎに到着したというのに気が付けばビルを照らすオレンジの夕焼け、いやはや疲れるわけですね。

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帰ったら図録を眺めて勉強です!

【東京国立近代美術館】東京都千代田区北の丸公園3-1

カテゴリー:ART&CULTURE

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