毎年夏が近づくと桃の季節が到来したとソワソワ。この日は悪天候の休日で何にも予定を立てていなかったのですが、桃のスイーツを求めて新百合ヶ丘にあるLilien Bergへ行ってみました。

1988年にオープンしたウィーン菓子の名店リリエンベルグは行列必死の人気店で、今の時期には桃を使ったケーキ、その後はピオーネ、モンブランと、旬に合わせてクルクルとショーケース内が変わるので季節ごとに伺いたくなる名店。いつもは行列回避のために必ずケーキの事前予約をしてから伺うのですが、悪天候だから大丈夫かと思いつきで出かけたのが大当たり、奇跡的に待つことなくすんなりと購入することができました〜。

「桃のケーキ」甘さを抑えたジェノワーズ生地の間に、スライスしたフレッシュな桃とほわっと甘みのあるクレーム・シャンティ(泡立てた生クリーム)、上にも桃のスライスが綺麗に並んでいます。

桃のケーキは今季始まったばかりでしたが、香りも風味もばつぐん。しっとりとしたジェノワーズ生地と桃、そしてクレームがしっとり一体となり、口に含むとパッと散っていきます。今年も食べられてよかった〜。

「リモーネ」ナッツの風味の効いたビスキュイ生地の間にレモン風味のクレーム・オ・ブール、そしてレモンのコンフィチュールが上を飾る爽やかな味わい。

そして初めていただく「パイナップルのサヴァラン」。一番下のサヴァラン生地はレモン・オレンジ、そしてカルダモンが効いたシロップがジュワッと沁みていて、周りにはパイナップルのゼリー、コンフィチュール、フレッシュのコンカッセと、甘みの強弱のついたパイナップル3人集で味にグラデーションがついています。

さらに上にはココナッツのアングレーズソース、ヨーグルト＆ココナッツ風味のクレーム・シャンティと続き、気がついたらペロリと食べ進めていました。伝統的なサヴァランはリング状のサヴァラン生地をラム酒などの洋酒に浸してクレームをあしらったもので、フォークを落とすと生地からジュワッとお酒が染み出してくる大人の味わいのもの。それがリリエンベルグの手にかかると、っちりサヴァランたらしめる基本を抑えつつこんなフレッシュなヴェリーヌ(グラスデザート)になるなんて！また次の時季に出会えたら味わいたい一品が増えました。

【Lilien Berg（リリエンベルグ）】神奈川県川崎市麻生区上麻生4-18-17